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執筆者の写真Eiji Hagiwara

経営に必要な「会計学」⑨

稲盛和夫氏の“会計学”からの学び

◎売上と・生産とそれにかかった

   経費を対応させる

・月々の試算表や決算書の推移を見

ていると、毎月の売上はさほど変動

していないのに、毎月の利益が大幅

に上下している場合があります。

こうしたケースの多くは、本来であ

ればその月の経費として処理すべき

伝票が、翌月へ回されているために

起きているのです。

売上や生産は上がっているのに、

それにかかった経費が翌月回しにな

れば、その月の利益は膨らみますが、

そのかわり翌月は経費が増えて、利

益が大幅に減少します。

経費をタイムリーに処理し、売上と

生産とそれにかかった経費を一対一

に対応させておくことが大切です。


◎月ズレ、期ズレ

・経営の判断をする時に、収支状況

が基本となります。

基本的に発生主義によります。

ただ、“利益があって銭足らず”と

いうように、「数字上は利益がある

のに、資金がない」という状況もよ

く見られることです。

これは、売上というのは納品や販売

した時に計上されますが、集金が翌

月になって入金されるケースや、

債務の返済を多くしてしまう場合な

どが原因となります。

毎月の経営判断に影響します。


・私たちの仕事では、事業年度をま

たぐ場合に特に注意をしています。

‘期ズレ’の問題があります。

収入に上げなければならないものを

翌月になっていたり、仕入れた材料

や商品を棚卸として計上することが

もれていたりする場合には、修正を

しないといけない状況になってしま

います。

‘期ズレ’には、特に経理上も経営

上も神経を使う事項です。


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